東京での再会 (2009年08月26日)

 

 本日発売の月刊ウイル10月号に「政治腐敗は有権者腐敗だ」を寄稿しています。興味ある方は、できれば30日の投票前に、お買い求めいただきお読みください。また、この月刊ウイルの編集長で「週刊文春」元編集長・花田紀凱氏が「マスコミの学校」という、マスコミ志望の人たちへの講座を再開しています。この講座をかつて受講したわたくしのスタッフが、その充実した講師陣から多くのことが学べる、と推奨しています。

 いきなり「お知らせ」から始まりましたが、先週の「不思議な出会い」に続いて今回も「出会い」の話題です。数年前にニューヨーク・カーネギーホールで偶然知りあった方に、先日19日に東京・サントリーホールで突然再会しました。大勢の人で賑わうサントリーホールの1階ロビー、押すな押すなのなかを進むわたしの行く手に一人の男性、わたしを見てびっくりした様子、テレビでご覧になったのだろうと思いつつも、あまりの表情に「そんなびっくりした顔をしないでくださいよ」と申し上げたら、「あの、お忘れかもしれませんが、実は・・・」と言われて思い出したのがニューヨークでの出会いでした。

 2年か3年前のニューヨーク、ゴールデンウィークの頃に長い休みをとり毎年出かける音楽の旅、オペラ、ミュージカル、リサイタルなどを楽しむ日々のある日、カーネギーホールでのイタリア人ピアニスト・マウリツィオ・ポリーニのリサイタルに出かけました。切符が完売していることを事前に知っていましたので、開演のだいぶ前からキャンセル待ちに並びました。

 キャンセルの切符があると順番に名前が呼ばれる。やがて、わたしのすぐ前の女性の番になったとき、なぜかその女性が切符を受け取りません。わたしはどんな切符でも結構です、とコンシェルジュに伝えてあったので、これでわたしの切符は確定です。現金のみでの購入なので、クレジットカードしかない彼女は購入できなかったようです。こうして入手した切符を持って席へと急ぎました。そこで出会いがあったのです。

 席はかなり上の階でした。座るとすぐ近くの男性が"Hi!"と英語で話しかけてきたので、わたしも挨拶し、どこからいらっしたのですか、と訊くと日本だと言う。そこで話が弾みました。ポリーニのここでのリサイタルは久しぶりだとか、ここは上の階だが音響はいい、と話す音楽好きの人でした。

 中間の休みのときに、外に出ようとしたら数列後ろの若者が非常に友好的な表情をしたので、台湾からきたの、と訊くと、そうだ、とのこと。コロンビア大学の大学院で勉強している女の子と、その子にロンドンから逢いに来た男の子とのカップル、彼は、ロンドンでのポリーニ・リサイタルが体調不良でキャンセルされてしまった、まさかニューヨークで聴けるとは思わなかった、と一生懸命に話してくれました。

 公演は素晴らしく、何回もアンコールの拍手が沸き起こっています。そんな余韻もあって、そこで出会った人たちとの名残惜しさもあって、公演後はこの3人を誘い、すぐ近くにあるわたしのホテルの部屋でコーヒーを飲み、歓談して別れました。ニューヨークでの学会に出席し、終わってからの数日をひたすら音楽を楽しんでいる、というその日本人男性とはその後もオペラハウスで何回かお会いしています。

 その方との突然の再会が、先日19日の東京・サントリーホールでした。名古屋での講演を済ませて駆けつけたジョイントコンサート、ステファノ・ランザーニ指揮による東京フィルハーモニー交響楽団、ソプラノ歌手マリエッラ・デヴィーア とテノール歌手ジュゼッペ・フイリアノーティの共演です。あれだけ大勢いたホールで、通りすがりの偶然の再会、奥さまが同行されていましたので、またどこかでご主人をお借りするかもしれません、悪いことはしませんからどうぞよろしく、とお断りしました。ご夫婦お二人、大笑いです。行くところ、世界のいたるところで同好の士との出会い、再会がある、素晴らしいことです。

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